明治維新政府は、まず、全体の方針を打ち出します。
五箇条の誓文
最近は御誓文とは言わないようです。
これは、明治天皇が国民に発したのではなく、
紫宸殿(ししんでん)で天地神明に誓約する形で出したものです。
紫宸殿(ししんでん)で天地神明に誓約する形で出したものです。
骨子は開国和親と公議輿論の尊重です。
内容
- 広ク会議ヲ興シ 万機公論ニ決スベシ
- 上下心ヲ一ニシテ 盛ニ経綸ヲ行ウベシ
- 官武一途庶民ニ至ル迄 各其志ヲ遂ゲ 人心ヲシテウマサラシメンコトヲ要ス
- 旧来ノ陋習ヲ破リ 天地ノ公道ニ基クベシ
- 智識ヲ世界ニ求メ 大ニ皇貴ヲ振起スベシ
現代語訳
- 門戸を広げて会議を行い、すべては世論によって決めるべき
- 政治家と庶民が心を1つにし、盛んに議論を行うべし
- 公家も武家も庶民に至るまで、それぞれが志を成し遂げ、
人々の心を飽きさせないことが必要- 悪い伝統を破壊し、国際法に基づくべき
- 知識を世界に求め、天皇主権を盛んにすべき
開国和親
開国和親とは、従来の鎖国のような姿をやめて開国して、
他国とも仲良くやろうというのが1つの方針です、
公議輿論の尊重
自由民権運動の論拠ともなりました。
起草者
由利公正(ゆりきみまさ)と福岡孝弟(ふくおかたかちか)
修正者
木戸孝允(きどたかよし)
「列侯会議ヲ興シ」を「広ク会議ヲ興シ」と修正しました。
五榜の掲示
五榜の掲示(ごぼうのけいじ)は民衆のあるべき姿をまとめたものです。
これは中世以来の高札(こうさつ)形式(立て札のようなもの)で出されたものです。
- 殺人・放火・盗みの禁止
- 一揆の禁止
- 外国人に対する乱暴の禁止
- キリスト教の禁止
- 強訴・徒党の禁止
などが書かれており、江戸幕府とあまり変わりないものでした。
人々には江戸時代と同じような生き方を要求したのでした。
政体書
「天下ノ権力ヲ総テ太政官二」
中央集権国家を目指すと共に、アメリカ合衆国憲法を模倣して、その権力を立法・司法・行政の三権に分け、形式的に三権分立の体裁を取り繕いました。
また、地方官制は府・藩・県の三治制となりました。
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