長屋王とその政治
長屋王とは
長屋王は天武天皇の孫で、
白村江の戦いで活躍した高市皇子の息子。
妻は元明天皇の娘の吉備内親王を迎える高貴な血統を保ちます。
元正天皇のもと政治の実権を握り、
長屋王は左大臣までのぼりつめた。
百万町歩開墾計画と三世一身法
班田制の行き詰まり
農民の中でも貧富の格差が生じたり、
人口増加による口分田が不足したり、
税金を払えないものの逃亡などによる荒廃田の増加するなどが問題となった。
百万町歩開墾計画
722年、長屋王政権の下、
百万町歩開墾計画を立てました。
これは農民に食料・道具を支給し、
10日間開墾に従事させて良田を開墾しようというもの。
百万町歩という膨大な計画は机上の空論で終わりました。
三世一身法
723年(養老7年)、長屋王は打開策として、
三世一身法(養老七年の格・ようろうしちねんのきゃく/ともいう)を
出しました。
これは以下の2つが骨格である。
新しく土地を開墾(＝新田開墾)するときに
- 自分で灌漑を開いた場合は三代の間、私有を認める。
- 既成の灌漑を利用して土地を開墾した場合は本人一代限りの私有を認める。
開墾条件付きの土地私有認可令である。
公地公有制の事実上の崩壊であり、律令体制が揺らぎ始めた。
長屋王の変
光明子皇后計画
724年、聖武天皇が即位。
藤原不比等の娘・光明子の子は満一歳に満たず、この世を去ります。
その一方で、聖武天皇の別の夫人に子ができた。
藤原氏の権勢に危機感を抱いた藤原四子は光明子を皇后にする計画を立てた。
しかし、皇后になれるのは皇族だけであった。そのため、長屋王は反対した。
長屋王の変
729年、藤原四兄弟は策謀で長屋王にでっち上げの謀反の疑いをかけました。
長屋王の邸宅を兵で取り囲み、長屋王を自殺に追いやった。
同時に長屋王の妻の吉備内親王や王子たちが自殺においこまれた。
これを長屋王の変という。
光明皇后と長屋王の祟り
長屋王の変の直後に武智麻呂は大納言に昇格。
半年後には光明子は皇后となり、光明皇后となった。藤原氏は大きな権威を獲得した。
しかし、737年に四人は相次いで天然痘により死去。
藤原氏の勢力は一時的に衰えます。
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