文学革命の背景
辛亥革命によって、清王朝は滅亡しましたが、
新しい中国の政治の実権は袁世凱が握りました。
民主主義も軍閥には勝てず、
袁世凱を中心とする藩閥政府が誕生していました。
孫文が目指した
三民主義の民主主義に基づく近代国家や新しい中華社会は実現できなかった。
このような状況は、第一次世界大戦における中国の革新的知識人階級をがっかりさせることになった。
しかし、またある一面では、革命的文学者によって
啓蒙的革命運動の積極的展開をもたらすこととなりました。
この運動は民衆の中国としての自覚に根付いた社会改革を目指す立場から文学革命と呼ばれる。
陳独秀
1915年9月、辛亥革命にも参加した知識人・陳独秀が、
上海で『青年雑誌』を発刊しました。
1916年、『新青年』に改称。
陳独秀は本を初めて出すときの文章で、
中国の若い人たちに
「自主的・進歩的・進取的・世界的・実利的・科学的」になろう！
中国の今の現状を西洋の文明・文学を取り入れることで変えよう！と呼びかけました。
この雑誌には、
西洋の文学や哲学、人物伝記、科学思想などを紹介する文章とともに、
伝統文化批判の論文が雑誌に載りました。
陳独秀は、儒教道徳の三綱五常など
現代生活を生きていく基本に反するものとして、
封建時代の産物として排除しました。
陳独秀は伝統批判によって、
漢字と中国語の廃止といった極端な提案を産んだ。
胡適
胡適の文語体批判と口語文学創成の主張が
1917年「文学改良芻議」を発表し、
形式主義に陥っていた中国文学の伝統を打破し、
白話文学を提唱しました。
白話文学
白話文学は、文学が社会の悩みを払い、
民衆の意識を変革させることを課題にし、
中国文学史における革命的な変革的な変革を示すものであった。
魯迅
この提唱をうけて文学活動を実践した代表的作家は魯迅であり、
『狂人日記』や『阿Q正伝』は、
多くのアジアの若者たちに強い影響を与えました。
狂人日記は最初に魯迅が書いた口語文学。
新青年に発表をしたのは1918年。
藤野先生
魯迅は1902年4月、20歳のとき、官費留学生として日本にやってきました。
魯迅は2年間を東京で過ごしたあと、
仙台の医学専門学校に入学しました。
魯迅はここで解剖学の藤野巌九郎教授より文学の道に転ずることとなりました。
この間の状況は、魯迅の作品「藤野先生」に懐古的に描かれており、
魯迅の人間像をよく示しています。
女性解放理論
陳独秀の自由恋愛擁護、
胡適の女性への貞操強要批判、
さらには、結婚制度否定論などは女性解放理論へと深まっていった。
北京大学
1916年12月、蔡元培が北京大学の校長になる。
執筆家であった李大釗らを教授陣に迎え、
運動の一翼を担った。
1918年11月、第一次世界大戦勝利の祝賀大会で、
蔡元培は、連合国での労働に従事するためにヨーロッパに渡航した
いわゆる「参戦華工」です。
蔡元培は第一次世界大戦の勝利で「労工の神聖」、
李大釗はロシア革命の事実を踏まえ、
大戦の勝利は「労工主義の勝利」「庶民の勝利」だと講演しました。
青年たちの間で、
社会主義が流行るきっかけになりました。
また、文学革命の中心となった北京大学では、
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