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産業革命

都市化の進展と労働者階級~労働・社会問題~

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産業革命
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労働者階級の成立

地方都市の発展

産業革命はイギリスでは、製鉄業の中心として発展したイングランド中部のバーミンガムや、イングランド中西部の木綿工業で発展したマンチェスターや奴隷貿易で発展した港町・リヴァプールなど、さまざまな都市を劇的に発展させた。

社会問題の発生

こうして、地方都市の発展に伴い、都市人口の比率が急速に高まり、生活様式も急変した。その結果、失業や貧困、結核・梅毒などの伝染病も流行した。

労働者階級の成立

また、産業資本主義の発達によって、
旧来の地主や商業資本家に代わり、産業資本家が台頭し、
生産手段をもたず、資本家に雇用されていく人々である労働者階級ができた。
イギリスでは、資本家階級、地主階級、労働者階級の三大階級によって構成されるようになった。

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労働問題

工業化の進展や産業資本主義社会がだんだんとできていくなかで、表面化してきた多くの問題のこと。

  • 低賃金
  • 長時間労働
  • 女性や子どもの酷使
  • 劣悪な勤務環境

など、今につながる労働問題が発生した。

女性・子どもの労働

産業革命で、工場制機械工場による大量生産ができるようになった。そのため、職人のプロの技術は要らなくなった。その結果、賃金の安い女性や子どもが多く使われるようになった。また、今まで手工業を担ってきた職人が、職を続けられなくなってきた。

アイルランド労働者

1801年、アイルランドがイギリスに併合される。これで、アイルランド人がますますイギリスの都市部に流入するようになっていった。

親方職人の地位低下

1814年には、徒弟修行の条件撤廃が行われ、ギルドの親方の地位は低下。
そのため、工場などで早くから賃金労働につけるようになった結果、早婚化が進み、人口爆発の原因の一つとなる。

生活環境の悪化

都市人口が急激に増加したため、生活環境はひどく悪化する。住居はせまいし、トイレや下水の設備もない。
しかも、労働者は長時間労働のうえに、栄養状態も悪く、ペストは消滅したが、結核・梅毒・天然痘などの伝染病が流行することとなってしまった。とくに1830年代のコレラの流行はすさまじいものだった。

「イギリスにおける労働者階級の状態」

ドイツ人のエンゲルスが書いた著書。そのおぞましい光景が描かれている。
イギリスにおける労働者階級の状態―19世紀のロンドンとマンチェスター (上) (岩波文庫)

農村の社会問題

農村でも第二次囲い込みが進展し、伝統的な農村のコミュニティは崩壊していった。農村の共有地で放牧したり、たきぎをとることも難しくなっていった。
当時のロマン主義の文学作品にも、生活に苦しむ農民の姿が描かれている。

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「自助」の精神

自助とは?

自助の精神はイギリスのプロテスタント、ピューリタニズムから派生したもの。貧困は本人の責任というものである。

「自助論」

新・完訳 自助論
自助の精神を強く奨励したサミュエル・スマイルズ「自助論」がベストセラーとなる。この書物は日本でも明治時代に中村正直により、「西国立志篇」として紹介され、広く親しまれた。
西国立志編 (講談社学術文庫)

「救貧法」全面改訂

最低生活を維持できるように、困窮者に補助を与えるスピナムランド制を行っていましたが、費用がかかりすぎたために、エリザベス女王時代の救貧法を全面改訂。
自助の精神を強調する。

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機械打ちこわし運動(ラダイト運動)

団結禁止法

このような状態に対して、労働者たちは団結して、労働環境の改善を求めていったが、政府はそれに恐れ、弾圧するために団結禁止法を出した。
1799~1800年の間に労働者の結社を禁止して、労働組合を違法としたもので、各組合は秘密結社や友愛団体のかたちで、団結禁止法への反対運動を行った。
1824年に撤廃された。

機械打ちこわし運動

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機械化で仕事を失った職人たちは、機械がその原因であるとし、その機械をはかいするにいたった。これを機械打ちこわし運動という。
中部地方のメリヤス編み工が中心となり、
ラッドという人物がリーダーとされたようだが、
1810年代になると、機械化の流れに逆らえなくなり、
消えていった。
 

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